あらかじめ用意された複数の質問に回答していき、回答内容に応じた診断結果をユーザーに提示する、診断コンテンツ。
心理テストや占いのほか、肌タイプを診断しておすすめの化粧品を訴求したり、ユーザーの利用状況に合った携帯料金のプランを提示したりと、マーケティングの一手法として多様な使われ方をしています。ご自身でも一度は触れてみたことがあるのではないでしょうか。
複雑な作りに見える診断系コンテンツですが、実はL Dashの「シナリオbot」機能を使えば簡単に作れます。実際にL Dashで診断コンテンツを作りながら、シナリオbot機能について詳しく見ていきましょう。
L Dashの「シナリオbot」機能とは
L Dashのシナリオbot機能を使うと、あらかじめ設定しておいた設問と選択肢をセットにしてユーザーへ提示できます。ユーザーがいずれかの選択肢を選ぶと、その内容をもとに、また自動で新たな設問と選択肢を提示する……というシナリオを自由に作ることができるのです。
以下の動画はお問い合わせ対応にシナリオbotを活用している例ですが、これを見ていただくと、今回取り上げる診断コンテンツへの利用もイメージしやすいのではないでしょうか。

(出典:Android版LINEアプリトーク画面)
ちなみに診断コンテンツというと、LINEマーケットプレイスを除いたことのある方は、「診断Bot」という有料の拡張機能があるのをご存じかもしれませんね。ですが費用面の問題などで、単一の機能として導入するには少しためらってしまう……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、こうした単一の拡張機能を導入するほかにも、LINE公式アカウントの標準機能である応答メッセージを駆使することで診断コンテンツを作ることも不可能ではありません。しかし、同じ操作を何度も繰り返すことになりますし、事前にある程度しっかりとしたフローチャートを作成しておかないと途中で混乱してしまう危険性も高いです。
その点、L Dashならシナリオbot以外にもたくさんの便利な機能が使えますし、何より今どの選択肢がどの設問へ結びついているかなどが目で見てすぐに分かります。複雑なPC操作に自信がなくても、マウスのドラッグ&ドロップで誰でも簡単に診断コンテンツを作成することができますよ。
シナリオbotで診断コンテンツを作って配信してみよう
実際にL Dashのシナリオbotを使ってみましょう。今回は簡単な診断コンテンツを作って配信してみます。
診断コンテンツをつくる
今回は、カフェのおすすめメニューを教えてくれる診断コンテンツを作ってみます。L Dashにログインしたら、ホーム画面左に表示されているメニューの「ツール」から「シナリオbot」をクリックします。

(出典:L Dashホーム画面)
シナリオbotの一覧画面が表示されます。まだ何も作成していないのでまっさらですね。右側にある「+新規登録」ボタンをクリックして新しいシナリオbotを作っていきましょう。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
上部(以下の画像で「2024~に自動保存されたシナリオbot」と表示されている箇所)をクリックするとシナリオbotのタイトルやタグが編集できます。管理しやすい名前に変えておきましょう。
そして三分割されている画面のうち、真ん中の大きな画面がメインで操作する場所です。設問と回答のセットや結果を追加する際は、左側の欄から真ん中の画面へドラッグ&ドロップしてきます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
初めは「スタート」だけが表示されているはずです。画面右側の「スタート」と表示されている吹き出しにマウスカーソルを乗せると、鉛筆マークとごみ箱マークが表示されます。鉛筆マークをクリックして編集画面を開きましょう。
なお今回は使いませんが、ここに表示されている「+バブル追加」をクリックすると吹き出しを追加することができます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
編集画面が開きました。左側のプレビューを見ながら適宜説明文などを設定していきます。「アクション」については後述しますので、今回はこのままで大丈夫です。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
一通り設定を終えたら、プレビュー画面上部の「通知」をクリックして、通知メッセージを編集するのを忘れないようにしましょう。こちらの設定も終わったら、左上の「×」をクリックして元の画面に戻ります。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
それでは、設問を追加していきましょう。以下は画面左からドラッグ&ドロップで「スタート」の隣に「新しい質問」を追加した状態です。まずはスタートとこの設問を結びつけておく必要があります。といっても、以下の画像のようにマウスをドラッグして「●」と「●」をつなげるだけです。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
スタートと設問を線でつなぐと、右側の列に「追加アクション」と「友だちプロフィール項目と連携」という項目が表示されます。「スタート」をタップした友だちに対してタグを追加・削除したり、L Dashの友だちプロフィール項目と連携させたりすることができます。
必要な設定を終えたら「保存」をクリックして、右上の「閉じる」をクリックします。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
先ほど追加した質問を編集していきます。「新しい質問」の欄をクリックすると右側にプレビューが表示されます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
プレビュー画面の「新しい質問」欄にマウスカーソルを乗せると鉛筆マークとごみ箱マークが表示されます。鉛筆マークをクリックして、質問の編集画面を開きましょう。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
編集画面が開きました。説明文(今回の場合は新しい質問)を入力したり、画像やタイトルを設定したりできます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
今回画像は使いませんので、「表示する」のチェックを外しておきましょう。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
画面を下へスクロールすると、「アクション1」「アクション2」「アクション3」という欄が表示されていますね。ここで選択肢と、選択肢を選んだ時にどんな動作をさせたいかを設定できます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
ここでの「アクションラベル」はすなわち「回答」になります。左側のプレビューを確認しながら、アクション1のアクションラベルは「はい」、アクション2のラベルは「いいえ」にしておきましょう。
「アクションタイプ」では次の設問と選択肢を表示させる(シナリオbot紐づけ)だけでなく、指定したキーワードをメッセージとして送信させられる「キーワード送信」や、指定したURLを開く「リンク」などを設定できます。今回は次の設問を表示させたいので、「シナリオbot紐づけ」を選んでおきましょう。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
「シナリオbot選択肢」もここでの設問は「L Dashに来店されたことはありますか?」なので「はい」(アクション2では「いいえ」)のままにしておきます。「入力オプション」を設定すると、この選択肢を選んだ際にリッチメニューやキーボードを開いたりすることができます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
アクション2(ここでは「いいえ」)も同様に設定していきます。今回は二択なので、アクション3の「表示する」の横にあるチェックマークは外しておきましょう。三択の場合、ここにチェックを入れるとアクション1や2と同様の設定項目が開きます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
なお今回は使いませんが、この画面の上部にある「カラム追加」をクリックすると、もう一枚カルーセル表示させるメッセージを増やすことができます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
先ほどと同じように、通知テキストの編集も忘れずに。設定が終わったら、左上の「×」をクリックして編集画面を閉じましょう。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
操作画面に戻ってきましたね。右側のプレビューで、先ほど設定した内容が表示されているか確認しておきましょう。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
なお、「新しい質問」と表示されている箇所は自由に名前を変更できます。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
それでは「はい」と「いいえ」、それぞれの選択肢に別の設問をつなげてみましょう。やり方は先ほどと同じで、左側の「新しい質問」を真ん中の枠にドラッグ&ドロップしてきて、お互いの「●」をドラッグでつなげるだけです。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
先ほどと同じ手順で、はじめの設問に「はい」と答えた人への設問と、「いいえ」と答えた人への設問をそれぞれ設定していきましょう。今回は「アクションラベル」を「はい」「いいえ」から編集してみました。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
もちろん、ここからさらに細かく分岐させていくこともできます。その場合、適宜右上に表示されている虫眼鏡ツールで画面を拡大・縮小すると全体を把握しやすいのでおすすめです。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
今回はここまでに設定されている4つの設問の診断結果を表示させてみましょう。画面左側から「結果を表示する」をメイン画面にドラッグしてきて、それぞれの設問の「●」とつなげます。やり方は先ほどまでとまったく同じです。
「●」同士をつなげると、はじめに「スタート」から設問を結びつけた時と同じように、「追加アクション」と「友だちプロフィール項目と連携」が表示されます。必要であれば設定しておきましょう。

(L Dashシナリオbot画面)
設問と結果を結びつけました。今回は4つそれぞれ別の結果を表示させますが、複数の設問を同じ結果へ結びつけることも可能です。

(L Dashシナリオbot画面)
それでは、結果を編集していきます。メイン画面から編集したい「結果(を表示する)」をクリックしたら右側のプレビュー画面に表示されている吹き出しにマウスカーソルを合わせ、鉛筆マークをクリックでテキストの入力画面が開きます。
絵文字のほか、クーポンや質問フォームのURLをインポートすることも可能です。シナリオbotを完走してくれた人に向けて、結果と併せて特別クーポンを送るのも良いかもしれませんね。

(L Dashシナリオbot画面)
以下は一通りの設定を終えた状態です。

(L Dashシナリオbot画面)
配信する
まずはテスト配信をしてみましょう。メイン画面で起点となる「スタート」を選択してから、画面右側、プレビュー画面の上にある「テスト配信」をクリックします。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
表示された数字をLINEアプリでLINE公式アカウントへ送信します。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
診断コンテンツが送られてきました。「スタート」をタップして実際の挙動を確認してみましょう。

(出典:Android版LINEアプリ)
一通り触ってみて問題なければ、いよいよシナリオbotで作った診断コンテンツを実際に友だちへ配信します。
画面左上の「←」をクリックして作成済みシナリオbot一覧画面に戻りましょう。

(出典:L Dashシナリオbot画面)
左側に表示されているメニューから一番上の「メッセージ配信」をクリックし、次に右下の「+新規登録」をクリックします。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
「新しいバブルを追加」の隣にある「▼」をクリックします。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
「シナリオbot」をクリックします。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
先ほどつくったシナリオbotを選択します。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
メッセージにシナリオbotを設定できました。ちなみに、「▼」の隣にある「新しいバブルを追加」をクリックして「L Dashで作成したコンテンツ」の中にある「シナリオbot」をクリックしても、メッセージにシナリオbotを設定することができますよ。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
診断コンテンツと合わせてメッセージを送りたい場合は「新しいバブルを追加」で吹き出しを追加できます。今回は診断コンテンツだけを送ってみましょう。プレビューの下にある「メッセージを検証する」をクリックします。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
メッセージ詳細画面に移ります。右上の「テスト配信」をクリックすると、先ほどシナリオbot作成画面から操作した時と同じ流れで配信テストができます。表示された数字をLINEアプリからLINE公式アカウントへ送るだけです。念のため挙動を確認しておきましょう。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
問題なければ、実際に診断コンテンツを友だちへ配信していきましょう。「配信設定」の右にある「編集する」をクリックします。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
配信ターゲットや配信日時、友だちに表示するアイコンと表示名が設定できます。今回は「全ての友だち」に「今すぐ配信」します。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
設定を終えたらプレビューの下にある「配信する」をクリックしましょう。

(出典:L Dashメッセージ配信画面)
これで、L Dashのシナリオbot機能で作った診断コンテンツを友だちに配信できました。
まとめ
設問や結果をドラッグ&ドロップして、各項目をマウスでつなげるだけで簡単に診断コンテンツが作れましたね。今回は基本操作を中心にご紹介しましたが、例えば設問をもっと複雑に分岐させたり、画像を入れて画面を華やかに見せたりすることも可能です。
複雑な診断コンテンツも、直感的な操作で気軽に作成できるL Dashのシナリオbotをぜひ、便利に活用してみてください。
【参照・参考】
・LINE株式会社『はじめてでもできる! LINEビジネス活用公式ガイド 第2版』インプレス,2023年6月
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント(旧 LINE@) – 応答メッセージ」(2024年4月25日参照)
・LINEマーケットプレイス「診断bot」(2024年4月25日参照)