個人向けのコミュニケーションアプリ「LINE」を利用していると、企業や有名人のLINE公式アカウントを友だち登録することがあると思います。
その際、「どうやらトーク画面での返信は自動返信らしいぞ?」と気が付くこともありますよね。有名人からの返信を期待していた時はがっかりしてしまうかもしれせんが、逆にリアルな友達に言いづらいことを有名人や企業とのトーク画面に打ち込んでみたり、どんなキーワードに反応して返信を返してくれるのか色々と試してみたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。
そうなると、「公式アカウントに送ったメッセージはほかの友だちに知られることがあるのかどうか」が気になる方もいますよね。
この記事では、「LINE公式アカウントに送ったメッセージが他人に見られることがあるのかどうか」という点や、企業や有名人が友だちとのやり取りに使っているLINE公式アカウントの「チャット」機能について詳しく解説していきます。
LINEユーザーの方だけでなく、「今度仕事でLINE公式アカウントの運用を任されそう……」「LINE公式アカウントのチャット機能について簡単に知りたい」という方もご一読いただけると幸いです。
LINE公式アカウントに返信してもほかの友だちからは見えない
結論から申し上げますと、トーク画面で企業や有名人のLINE公式アカウントへ送ったメッセージが、ほかのユーザー(友だち)に知られることはありません。
送信したスタンプやメッセージは、送った本人とそのLINE公式アカウントの運用者だけが確認できます。
LINE公式アカウントの「チャット」機能とは
LINE公式アカウントの運用者は、LINE公式アカウントの「LINEチャット」機能を使って友だちとやり取りしています。
人によっては「LINE公式アカウントは全部自動返信でしょ?」と思っていらっしゃるかもしれませんが、LINE公式アカウントを通じて店舗への問い合わせなどをしたことがある方の中には、「ちゃんと人が応対してくれていた」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
どちらも間違いではなく、機能の使い分けにより生じる違いです。詳しく見ていきましょう。
個別に返信がくる場合
LINE公式アカウントの「LINEチャット」には、担当者が個別に応対できるモードと、友だちから送られてきた特定のキーワードに反応して、設定した内容を自動返信するモードがあります。
前者のモードを使っている場合、運用担当者から見た画面は以下の通りです。

(出典:LINE公式アカウントWeb版管理画面(LINE Official Account Manager))
メッセージを送った人の名前やアイコンが右に表示されています。
また、LINE公式アカウントは専用のスマホアプリからも操作することができます。相手がこのスマホアプリを使っている場合、見え方は以下のようになります。

(出典:Android版LINE公式アカウントスマホ用管理アプリ)
実際の画面を見てみると、普段使っているLINEのトーク画面と似ていることが分かりますね。
自動応答の場合
個別に返信を行っている場合、実際にLINE公式アカウントを運用している人にはメッセージのほか、送り主のアカウント名やプロフィール写真が確認できます。
それでは、自動応答の場合はどうでしょうか。完全に自動返信で、友だちとのやり取りを見ている人はいないのでしょうか?
必ずしもそうではありません。もちろん、例えば友だちが何万人もいるアカウントの場合、運用担当者が逐一リアルタイムで友だち一人ひとりのチャット欄をチェックするのは現実的ではありません。
しかし、チャットの内容は履歴として残ります。後からチャット画面を開けばやり取りを確認することは可能ですし、チャット履歴はデータ(CSVファイル)としてダウンロードすることもできるので、これを開くことでもやり取りの内容を把握することはできます。

(出典:LINE公式アカウントチャット履歴)
また、時間帯や場合によって自動応答と個別応答を切り替えて使っているアカウントもあります。そのため、「このアカウントは自動応答だから、どんなメッセージを送信してもいいや」というのは考えものです。
個別返信の場合だけでなく、自動応答の場合も必ずそのLINE公式アカウントを運用している人間がいます。誰かを傷つけるようなメッセージを送るのは絶対にやめましょうね。
LINE公式アカウントへメッセージを送るときの注意点
ここまでのことを踏まえて、LINE公式アカウントへメッセージを送る際の注意点についてお伝えします。ポイントを抑えて、LINE公式アカウントを便利に活用しましょう。
すぐに既読がついても読まれたとは限らない
「LINE公式アカウントにメッセージを送ったらすぐに既読がついたのに、なかなか返信が来ない!」ということもありますよね。実は、そのLINE公式アカウントが自動応答機能を使っていると、担当者が開いたかどうかにか関わらず、すぐに既読がついてしまうんです。
例えば時間帯によって自動応答と個別返信を使い分けている店舗や企業だったとしたら、「何時にメッセージを送ってもすぐ既読になるのに、返信にかかる時間に波がある」のはあり得る話です。
複数の運用者に見られる可能性はある
LINE公式アカウントは、複数の管理者で運用できる仕組みになっています。
特に、友だちが多いアカウントを一人で運用するのは現実的ではないでしょう。そのため、信頼できる一人の担当者とだけやり取りしているつもりでいたら、実際は複数人の担当者が入れ替わり立ち代わりあなたとやり取りしていた……ということもあり得ます。当然、上で触れた過去のチャット履歴についても、複数人に見られている可能性があるということです。
こうした事情を考えると、その企業や有名人を信頼している場合でも、LINE公式アカウントのトークではなるべく個人を特定できる情報などは送らない方が安心です。
本人が返信しているとは限らない
最近では、企業やお店だけでなく有名人がLINE公式アカウントを開設するケースもありますよね。この場合も、LINE公式アカウントを実際に運用しているのは有名人本人ではなく、運用担当者である場合がほとんどでしょう。
そのため、例えばLINE公式アカウントを通じて有名人に応援メッセージを送ったとしても、直接本人に届く可能性は低いかもしれません。ただし、運用担当者を通じて間接的にあなたが送ったメッセージが届く可能性は十分にあります。
これまでの内容も踏まえて、「間に人が入っている」ということを忘れずに節度あるメッセージを送るようにしたいところです。
自動応答モードでも履歴は確認できる
先にも触れましたが、チャット機能を自動応答モードに設定している場合でも、後からそのアカウントがどんなメッセージを送られたか、ということを確認することはできます。
「夜中だから誰も見ていないはず」と思い、自動返信機能を使って色々と遊んでいたら翌朝企業担当者にその履歴を全部見られてしまった……ということもあり得ます。
こんなケースなら笑い話ですみますが、「誰も見ていないから」と思って誹謗中傷めいたメッセージなどを送るのは訴訟に発展する可能性もあり、本当に危険です。繰り返しになりますが、「スマホの向こうには人がいる」ことを忘れないようにしましょう。
まとめ
LINE公式アカウントへの返信がほかの友だちに見られることはありません。ただし、LINE公式アカウントを運用している担当者は複数人いる場合も多く、その担当者たちはやり取りの履歴を確認することができます。これはそのLINE公式アカウントが自動応答モードを使っている場合も同様です。
友だち登録者数が多いLINE公式アカウントは自動応答モードを上手く使っているケースが多いですが、その先には必ず運用担当者がいます。いつでも「スマホの向こうには人がいる」ことを忘れずに、節度を持ってLINE公式アカウントの自動応答や個別チャットを活用しましょう。
【参照・参考】
・LINE株式会社『はじめてでもできる! LINEビジネス活用公式ガイド 第2版』インプレス,2023年6月
・LINEヤフー for Business「1対1でやり取りができる!LINEチャットの活用メリットとポイント」(4月11日参照)
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント(旧 LINE@) – チャット」(4月11日参照)
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) チャット設定マニュアル」(4月11日参照)
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント(旧 LINE@) – 応答メッセージ」(4月11日参照)